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数学科 履修ハンドブック2019年度版 2019年4月
[1] 数学科の紹介
数学は自然科学の根幹を成す学問であり,学ぶ面白さはとても奥深いものです。数学の問題が解けたときの喜びは,子どもでも充分に味わえる知的なサプライズであって,人類だけに与えられた高度な幸せでしょう。私たち数学科のスタッフが学生や大学院生の皆さんと共に,数学を学ぶために日々注いでいるエネルギーの量や,数学そのものに対して持っている夢の大きさ,そしてとにかく夢中で数学を面白がっていることを,授業の中でのさりげない一言や,何気ない場面において少しでも感じ取って頂ければ,誠に幸いであると考えております。
私自身は整数論を専門にしておりますが,渾身の力を込めて新しいことが証明できたとき(時間がかかりますので,もう本当に滅多にありません),あるいはそれまで分からなかったことが理解出来たとき(これにも非常に苦労するときが多いです),このときの喜びは,それまでの苦労が吹っ飛ぶような形容しがたい幸福であると感じています。皆さんにとっては,大学の数学が高校3年生までに学んだ数学と相当に様子が違うために,最初は思いがけず随分悩むことが多いかもしれません。それでも大学での数学の扱い方を少しずつ身に付けて,数学の凛とした清々しさを味わって頂けるように育ってくださればと考えます。大学生活での大事な試験ができなかったり,専門科目の授業の内容が分からなかったりと,どうすれば良いか困ってしまう場合もあるかもしれませんが,私たち自身も通ってきた道ですので,どうぞ焦らないで下さい。時間をかけて考えることさえ厭わなければ,何かを見つける探検を一緒に楽しんでゆくことが出来るのではないかと思っています。数学は科学を支える普遍性を持つ学問であり,例えばピタゴラスの定理は決して古びず,一度だけ厳密に証明されれば永遠に正しく,現代もそれ無しでは距離すら計算出来ないですね。こんな学問を専門的に学び,人に伝えるスキルが磨ける場にいるという誇りを抱いて下されば,将来どんな困難が現れても皆さんお一人お一人が,ご自分の道を開いてゆけるであろうと信じております。
人は太古の昔より「数」を考え,「形」を描いてきました。自然界には必ずしも存在しないかもしれない,即座には役に立たないかもしれないような概念であっても,古今東西を問わず大切に育んで参りました。身の周りにある出来事を抽象化して数学の言葉で厳密に表すこと,それらに接して理解し深く感動すること,そして思い切り抽象化された純粋数学の理論が,現実的な諸事象の解明に応用されると知ったときに,素直に驚くこころが持てること,こんな力が培えるように,皆さんを微力ながら支えてゆければ,私たち数学科スタッフにとって,これほど嬉しいことはないでしょう。
皆さんが楽しく有意義な学生生活を送れますことを,心より願ってやみません。
[2] 設備と場所
(A) 数学科の設備
(B) 情報教育研究センター
(C) キャンパスの場所
1年生のときに船橋キャンパスに通うのが大変だ,と思う方もいるかもしれませんが,たった1年間です。1年生のときには履修が忙しく,学校に慣れるのに時間を要しますし,クラブ活動やスポーツにも興味があるでしょうから,広大な船橋キャンパスで生活をまとめてしまうのが,結果的には良いのです。
[3] カリキュラム
まわりの価値観や行動を鵜呑みにするのではなく,自分でよく考え,自分を磨き続けていく人間でありさえすれば,必ず芸を極め自分の道を開くことができます。しなやかで真撃な学習態度でものごとに臨み,自分の心と頭でよく考えることが大切です。そのためには,大学も状況に応じ,新しい柔軟な教育学習システム (カリキュラム) を考えていかなければなりません。もちろん,皆さん自身が常に自主的に勉強していくことが必要で,大学もそれを期待しています。大学は,学生たちの自主的な勉学に手を貸すような教育体制を整えたいと考えています。大学は,皆さんの自己実現の場でありたいと願っているのです。
授業について説明しましょう。詳しくは,[4]の履修方法の項で述べますので,ここでは要点のみ述べることとします。
「学部要覧」の授業科目概要の表を見ると,「教育数学」などとありますが,これは授業の行なわれる科目名であり,単位の欄もしくは( )内の数字は科目の単位数を表します。大学の科目には,単位という数値が必ず付いています。先生が講義をする科目は,1年間に15時間の講義だと 1単位となります。数学科を卒業するには,130以上の単位を修得しなくてはなりません。
表にたくさんの科目が並んでいます。これら全てを学ばなくてはいけないというのではありません。卒業するために必ず修得しなければならない科目は,必修という枠の科目だけです。あとは選択という枠の中から,皆さんの判断で選んで,全部で130単位以上となるようにするのです。詳しくは[4]の履修方法の項を読んで下さい。
自主創造科目,教養教育科目,外国語科目,保健体育科目は幅広い人間性を育て,視野を大きくするために設けられています。教養ゼミナールや総合講座では,現代を理解するために有効なテーマやその時々の面白い話題が取り上げられています。
基礎教育科目は理工系の科目から成ります。これらは数学の専門的な知識を学ぶ準備として用意された科目です。
一番たくさん並んでいる専門教育科目は,これこそが数学科の中心的な科目です。数学科は,皆さんにまず,微分積分及び高校の代数と幾何の続きである線形代数の基礎知識・考え方・計算力を十分に身に付けてもらいたいと考えており,1年次,2年次の必修科目でみっちり教育します。ここで基礎をしっかり学んでおけば,これまでの数学のメインであった代数,幾何,解析等の純粋数学の分野や,大発展を遂げている情報数学の分野を深く学んでいくことが出来ます。数学科は,全学生にノート型パソコンを渡し,パソコンを使った授業にも力を入れています。これからは,数学の知識を持ち,さらにコンピュータにも慣れている人が,数理技術者として歓迎されるでしょう。「卒業研究」及び「ゼミナール」という科目は,少人数教育により,基礎知識と専門知識の徹底的修得を目指しています。指導教員と直接触れあい,各人が意見を述べ,各人の能力に応じた指導が受けられるようになっています。このような科目では,自主的かつ自発的な勉学態度がますます重要になります。
理工系の学科では,大学を卒業してから,更に大学院に進学し,より専門的な知識を修得することが当たり前のようになってきました。授業料等の経済的負担を軽減するため,奨学金制度も少しずつですが充実してきています。
私たちの数学科から,そのまま併設の日本大学の大学院に進むと,純粋数学の専門とコンピュータ科学や情報数学の専門のいずれかを極められます。純粋数学は勿論,コンピュータ方面の情報数学も盛んに研究されています。日本大学大学院では皆が楽しく勉強していて,大変良い雰囲気を持っています。他の大学院の雰囲気とは違った,暖かさと真面目さに包まれた,勉強しやすいところなのです。そして,非常に高度な研究内容を究め,レベルの高い修士論文をまとめる人が沢山います。教員一同,責任を持って一生懸命に指導をしています。
私たち数学科が望む学生像は,目的を今は持っていなくとも,目的を探そうという意志を持っている人,他人を認め自分の考えを説明する気持ちのある人,自主的自発的に学んでいこうとする人たちです。そうである皆さんが数学科で学び,数学の確実な知識や情報技術を修得すれば,いつの時代でも世の中は皆さんを歓んで迎えます。
[4] 履修方法
(A) はじめに
以下に述べることは,皆さんが,希望に沿うように・間違わずに履修していくためにはどうしたらよいかについて,少しでも役立つようにまとめたものです。
よく使われる言葉に,「履修」「受講」「修得」「単位」の四つの言葉があります。
「履修」とは,所定の手続き(履修手続)を行ない授業を受講する資格を得て,その授業科目の単位修得を目指すことです。
「受講」とは,授業に出席・参加し,学ぶことをいいます。ある授業を履修するとは,その授業を受講することを含んでいます。
「修得」とは,受講している授業の内容を理解・体得し,試験等に合格することです。
「単位」とは,授業内容を理解するうえで必要とされる準備の時間や労力等を基に定められた数です。各授業には「単位」という数が付いており,試験等に合格するとその数の単位が取れることになります。
(B) 学部要覧と履修登録の手引き・授業時間割表について
入学時配付の「学部要覧」を丁寧に読んでください。「学部要覧」のルールは,理工学部のカリキュラムが在学中に変更になっても,入学した年度のものが卒業まで有効です(編入生については,編入時に配付された学部要覧のルールが卒業まで有効です)。各年度の初めに配付される「履修登録の手引き・授業時間割表」にも必要不可欠なことが書いてありますので,よく読んで下さい。
大学では,履修関係の事柄に限らず,様々な連絡が常に掲示によってなされるので,1年生は船橋校舎14号館1階の掲示板,2年生以上は駿河台校舎1号館1階の掲示板及びタワースコラ14階の数学科掲示板の両方について,常時チェックして下さい。教職課程履修者は教務課前の教職掲示板にも注意して下さい。
(C) 履修登録について
履修登録は,いくつかの例外を除きインターネットを通じて行うWeb履修登録のみです。Web履修登録の仕方が分からなかったり,Web履修登録している途中で不都合が生じたりしたら,クラス担任か教務課に相談してください。
成績にはGPAという数字(通信簿の評定平均値のようなもの)が付きます。途中から受けなくなってしまった授業を「カラ登録」したままではGPAの値が下がります。GPAの値は(E)の「履修登録単位数の上限」に直結する他,就職活動時の大学推薦の推薦者選考などでも使われますので,履修登録した後で受ける気がなくなった授業は,是非「履修の取り消し」をしてください。
(D-1) 卒業に必要な単位数(4桁の学生番号の上2桁が 80,81,90,91,97 の学生向け)
日本大学理工学部で開講される科目は
の六つの科目区分に分けられています。この科目区分は,科目を受講し,単位を取っていく上で重要なことですから,記憶しておいて下さい。各科目区分ごとに,卒業するために修得しなくてはならない単位数が決まっています。それらは次の通りです。
自主創造科目 4単位
教養教育科目 10単位以上
外国語科目 英語の必修科目を全部と必修でない英語2単位以上を含めて,10単位以上
保健体育科目 必修科目を含めて 2単位以上
基礎教育科目 共通基礎教育科目から14単位以上と専門基礎教育科目から8単位以上を含めて,合計22単位以上
専門教育科目 必修科目全て及び選択必修科目9単位以上を含めて,75単位以上
科目区分外単位 7単位まで
合計 130単位以上
<注意1>「科目区分外単位」7単位をお忘れなく
自主創造科目から専門教育科目までの各区分で必要な最少単位数を合計すると,123となります。この単位数と,卒業するために必要な最少単位数130との差 130-123=7 の分の単位を「科目区分外単位」といいます。
科目区分外単位に算入できるのは,以下の科目区分の科目の単位です。
(1) 理工学部設置の教養教育科目・外国語科目・保健体育科目・共通基礎教育科目
(2) 数学科設置の専門基礎教育科目・専門教育科目
(3) 理工学部内の他学科設置科目
(4) 理工学部設置の指定された教職課程科目・指定された学芸員課程科目
(5) 他学部設置科目
上記(4)の指定された教職課程科目・指定された学芸員課程科目とは次の4科目を指します。
上記4科目の成績は,GPAに算入されます。
一方,教職課程科目・学芸員課程科目のうち上記4科目以外のものは,科目区分外単位に(従って,卒業単位にも)含められません。また,GPAに算入されません。
大多数の学生は,数学科の授業時間割表に載っている科目から各科目区分ごとの条件を満たすように合計130単位以上を修得して卒業していきますが,他学科や他学部の授業の中に面白そうなものを見つけた場合は,担当されている先生の許可を得て受講し,その授業の単位を「科目区分外単位」の枠で卒業単位として修得することが可能です。
(D-2) 卒業に必要な単位数(上記以外の学生向け)
日本大学理工学部で開講される科目は
の五つの科目区分に分けられています。この科目区分は,科目を受講し,単位を取っていく上で重要なことですから,記憶しておいて下さい。各科目区分ごとに,卒業するために修得しなくてはならない単位数が決まっています。それらは次の通りです。
教養教育科目 10単位以上
外国語科目 英語の必修科目を全部と必修でない英語2単位以上を含めて,10単位以上
保健体育科目 必修科目を含めて 2単位以上
基礎教育科目 共通基礎教育科目から14単位以上と専門基礎教育科目から8単位以上を含めて,合計22単位以上
専門教育科目 必修科目全て及び選択必修科目9単位以上を含めて,76単位以上
科目区分外単位 10単位まで
合計 130単位以上
<注意1>「科目区分外単位」10単位をお忘れなく
教養教育科目から専門教育科目までの各区分で必要な最少単位数を合計すると,120となります。この単位数と,卒業するために必要な最少単位数130との差 130-120=10 の分の単位を「科目区分外単位」といいます。
科目区分外単位に算入できるのは,以下の科目区分の科目の単位です。
(1) 理工学部設置の教養教育科目・外国語科目・保健体育科目・共通基礎教育科目
(2) 数学科設置の専門基礎教育科目・専門教育科目
(3) 理工学部内の他学科設置科目
(4) 理工学部設置の指定された教職課程科目・指定された学芸員課程科目
(5) 他学部設置科目
上記(4)の指定された教職課程科目・指定された学芸員課程科目とは次の10科目を指します。
生涯学習概論,博物館概論,博物館資料論,博物館資料保存論,博物館展示論
上記10科目の成績は,GPAに算入されます。
一方,教職課程科目・学芸員課程科目のうち上記10科目以外のものは,科目区分外単位に(従って,卒業単位にも)含められません。また,GPAに算入されません。
大多数の学生は,数学科の授業時間割表に載っている科目から各科目区分ごとの条件を満たすように合計130単位以上を修得して卒業していきますが,他学科や他学部の授業の中に面白そうなものを見つけた場合は,担当されている先生の許可を得て受講し,その授業の単位を「科目区分外単位」の枠で卒業単位として修得することが可能です。
(E) 履修登録単位数の上限について
直前学期の修得単位数 | 12単位以上 | ||
直前学期のGPA | 1.5以上 | 2.0以上 | 2.5以上 |
履修登録単位数の上限 | 26単位 | 28単位 | 30単位 |
表から分かるように,成績が良いほど履修登録できる単位数が多くなり,履修する科目の選択の幅が広がります。ですので,「低い評価でも合格しさえすれば(単位が取れさえすれば)よい」などと考えることはせず,「できるだけ高い評価(良い成績)で合格する」ことを目標にしてしっかりと勉強して下さい。
※このルールにより履修登録が制限されるのは,卒業単位に算入される科目から「自主創造の基礎1・2」を除いたものです。「卒業単位に算入されない科目」は履修登録単位数に上限がありません。従って,教職課程科目・学芸員課程科目のうち「科目区分外単位に算入されない科目」は履修登録単位数に上限がありません。
(F) 教員になりたい人は
将来,中学校や高等学校の先生になりたいと思う場合には,(D)の項に出てきた科目区分とは別の科目の単位を取らなくてはなりません。そういう人は学部要覧の教職課程の欄を読み,「教職課程ガイダンス」に出席する必要があります。そして,その時に配られる「教職課程の手引き」 をよく読んで綿密な履修計画を立てて下さい。なお,教職課程の履修には,授業料(学費)とは別の履修料が,わずかですが必要です。
入学時・各年度初めの「教職課程ガイダンス」に出席していない人は,原則として教職課程を履修できません。また,年度初めのガイダンスの他にも,出席しておかないと後でいろいろな権利・資格がなくなるという非常に大事な説明会や授業などがあります。数学科では殆どの学生が教職課程を履修しているため,しっかり者の友人に頼れば大丈夫とばかりに,掲示・連絡の確認を怠る学生がいますが,短い期間に何か(手続きなど)をしなければならない連絡の場合,友人から情報を得たときには手遅れになっていることもあります。ですので,自分自身で教務課の教職掲示板をまめに見る習慣を付けましょう。
教員採用試験についての情報は,数学科就職事務室に豊富にあります。積極的に利用して下さい。
・中学校と高等学校の免許は、一方でよい? それとも両方がよい?
「数学」の教員免許には,中学校と高等学校の免許があります。現在,多くの中学校・高等学校が,中学校と高等学校の両方の教員免許を持っていること(取得見込みであること)を採用条件にしています。ですので,例えば「自分は高校教員しか目指さず,中学校教員にはならない」と決めていても,中学校と高等学校の両方の教員免許を取ることをお勧めします。
「情報」の教員免許には,高等学校のものしか存在しません。
・「数学」「情報」2教科の免許
皆さんは,ここ日本大学理工学部数学科で,中学校と高等学校の「数学」 だけでなく,高等学校の「情報」の教員免許も取ることができるわけですが,これは,我々のカリキュラムが「教科に関する専門科目については,自分の学科設置の授業の履修だけで,数学と情報の2教科の教員免許が取れるように考え抜かれたもの」であることの結果です。この2教科の免許を持っていると,教員としての採用の可能性は非常に大きくなります。
他学科の専門科目を履修して多くの科目の教員免許が取れるようにするのは簡単ですが,他学科の専門科目の履修は,実際には非常に難しいことです。1年生の授業ならともかく,2年次以上の他学科設置の専門科目は,その学科の低学年の専門知識を全て仮定しているからです。日本大学理工学部数学科は,そういう苦労をせずに,数学科を卒業するための専門科目の履修を行なうだけで,2教科の教員免許の「教科に関する科目」が履修できてしまうように,専門教員を配置し,時間割に工夫を凝らしています。皆さんが無理なく教員免許を獲得できるように,深く考えているのです。こういう配慮をしている大学は,非常に少ないのが現状です。
・麻疹(ハシカ)の抗体について
麻疹(ハシカ)の抗体のない人は,介護等体験も教育実習も出来なくなる可能性があります。予防接種をしてから抗体が出来る迄に何ヶ月もかかる人もいます。
もし,麻疹の予防接種をしておらず,麻疹にかかった記録もないならば,麻疹予防接種を受けて,麻疹の抗体証明書,または,予防接種をしたという証明書を取得するようにお願いします。実習が出来ないと,教員免許の取得が不可能になってしまいます。
・学部卒業後に教員免許を取りたくなったら
卒業して理工学部の学生でなくなってから,あるいは大学院生になってから,教員免許を取りたくなって理工学部の教職課程の履修を行う場合は,科目等履修生の申し込みの手続きをしなければなりません。申し込み時期等は教務課で確認する必要がありますが,通常の科目等履修生とは異なり,教職課程に関しては「後期」科目の履修の申し込みであっても,前期科目の履修申し込みと同時の早い時期(通常2月ごろ)しか申し込みを受け付けませんので,教務課でよく確認して下さい。
(G) 自主創造科目,教養教育科目,外国語科目,保健体育科目
これら四つの科目区分に属している科目は,数学科ではなく,一般教育の先生方の管理の下にあります。ガイダンス時の説明を聞いてもよく解らなければ,科目を担当する先生か,クラス担任の先生に聞いて下さい。
これらの科目は入学後,どの学年で修得しても良いのですが,数学科の学生用の授業時間割表に従って修得すると,余分な時間や労力を使わずに,効率的に修得できます。これらの科目の成績判定には出席も重視されますので,やむを得ず欠席する場合は,事前に授業の担当教員に申し出て下さい。病気等で突然欠席した場合は,必ず事後に授業の担当教員に申し出て下さい。
2,3,4 年次に船橋設置科目を履修する際は,駿河台キャンパスから船橋キャンパスに通う必要があります。
(ア)自主創造科目
この科目区分は,必修の2科目「自主創造の基礎1」「自主創造の基礎2」から成っています。この2科目は,卒業単位に含まれますが,履修単位は「履修登録単位数の上限」の枠外で,成績はGPAに算入されません。
自主創造の基礎1・2の授業は,理工学部全学科の学生が交じり合ったクラス分けで行われます。各学生の配属クラスは,ガイダンス中に通知されます。
自主創造の基礎1・2では,通常の授業の他に,学部横断型の特別授業が行われます。
・前期は,理工学部・薬学部の2学部と短期大学部(船橋校舎)の横断型授業「Funa-MIX」が,理工学部船橋校舎で行われます。2019年度の実施日は 6月1日(土) です。
・後期は,日本大学全学部の横断型授業「日本大学ワールド・カフェ」が全学部会場で行われます。各学生は,指定された時間・指定された学部の会場で日本大学ワールド・カフェに参加します。2019年度の実施日は,10月20日(日) です。
前期・後期とも,特別授業実施日は,他の予定を入れずに空けておいて下さい。会場の指定や参加の仕方の詳細については,通常の授業の中で説明があります。
※過去のワールド・カフェの様子が,日本大学のウェブサイトで見られます。例えば「日本大学ワールド・カフェ」で検索してみて下さい。
(イ)教養教育科目
教養教育科目は,前に述べたように出席が重視されますが,2年次~4年次に履修すると介護等体験,教育実習,就職活動などにぶつかり,欠席せざるを得なくなる場合があります。欠席する際には,必ず事前に授業の担当教員に申し出て下さい。病気等で突然欠席した場合には,必ず事後早めに授業の担当教員に申し出て下さい。
教養教育科目の単位不足で卒業延期になることは,避けて下さい。
(ウ)外国語科目
「英語の必修科目全部(4単位)」に加え「必修でない英語2単位以上」を取らないといけません。外国語で最低限必要な10単位のうち,10-(4+2)= 4単位は,英語で取っても,英語以外の外国語で取っても構いません。
<注意2>
英語 TOEIC L&R IP テストについて
(L&R は Listening & Reading の意味です)
1年次の英語を履修する学生は,各学期末に実施される TOEIC L&R IP テストを受験しなければなりません。英語の成績評価の20%分は,TOEIC L&R IP テストの結果によります。やむを得ない事情でTOEIC L&R IP テストを欠席した人は,必ず教務課で追試の申請をして下さい。なお,このTOEIC L&R IP テストの受験料は授業料で賄われますので,別途自己負担はありません。
英語の講義に関連した上記のTOEIC L&R IP テストとは別に,就職活動支援のための TOEIC L&R IP テストも行われています。こちらは,英語科目の単位・成績とは無関係で,就職に有利になるよう自己研鑽のために実施されているテストです。数学科の学生がTOEIC で500点以上を獲得した場合には,数学科の同窓団体である桜数会から奨励金が支給されます。希望者は是非,奮って受験して下さい。申し込み要領はその都度,数学科の数学科就職事務室の掲示板に掲示されます。
(エ)保健体育科目
必修科目1単位は必ず履修してください。必修と選択を合わせて2単位以上必要です。
(H) 基礎教育科目
基礎教育科目では,専門教育科目を学習していくために必須の基礎的な知識を学びます。基礎教育科目は,理工学部の学生ならば誰でも知っていなければならない物理や化学などの各学科共通の内容を学ぶ共通基礎教育科目と,数学科で専門教育科目を学習するのに必要な専門基礎教育科目に分かれています。
この科目区分では,「共通基礎教育科目から14単位以上」と「専門基礎教育科目から8単位以上」の両方を含めて合計22単位以上を修得しないといけません。合計が22単位以上になりさえすれば良いという訳ではないので,注意して下さい。なお,共通基礎教育科目として,微分方程式I,線形代数学II,関数論Iなどといった数学関連の科目をとることも可能です(ただし,これらは共通基礎教育科目であって,数学科の専門基礎教育科目や数学科の専門科目ではありません)。学部要覧の数学科授業科目配置表と一般教育授業科目配置表の科目名をよく読みながら,時間割に従って履修して下さい。
(I) 専門教育科目
専門教育科目,これこそ数学科学生のための数学科固有の科目です。
1年次の「微分積分学A・B」と「代数学幾何学A・B」の4科目は専門科目です。これらの科目は,教育がより行き届いたものになるよう,1学年を2クラスに分けて授業を行なっています。クラスにより指定された時限の講義を受講して下さい。また,必修科目ですので,迷うことなく必ず受講して下さい。
2年次では,「微分積分学C・D」と「代数学幾何学C・D」の4科目が必修科目です。
1年次と2年次で学習する必修8科目の微分積分学A・B・C・Dと代数学幾何学A・B・C・Dは全ての数学の基礎であって,十分にその内容を理解しておかないと,後に学ぶ数学を理解することが難しくなります。
2年次までは,専門科目の選択の幅があまりありません。これは,2年次までの数学科目は情報数学を含めた全ての数学の基礎であるために,ほぼ全てを修得しておくことが望ましいからです。履修科目をどのように選択していくかを真剣に考えなくてはならなくなるのは,3年次からです。
3年次設置科目は大きく分けると,純粋数学と,コンピュータを扱うことが中心となる情報数学に分けられます。純粋数学は更に,“代数,幾何,解析”の 3分野に分けられます。3年次設置の専門教育科目には,以下の選択必修科目があります。
選択必修科目 | |
代数学及び演習A | 代数学及び演習B |
幾何学及び演習A | 幾何学及び演習B |
解析学及び演習A | 解析学及び演習B |
複素解析学及び演習A | 複素解析学及び演習B |
数値解析学及び演習A | 数値解析学及び演習B |
卒業するためには,これら10科目から少なくとも3科目を修得しなければなりません。卒業研究の各研究室が,これらの選択必修科目の中から修得しておくべき科目を指定していますので,自分の希望する研究室がどの科目を指定しているかも考慮しながら履修してください。
(J) 卒業研究(ゼミナール含む)着手条件
卒業研究とゼミナールは,次の着手条件(ア)(イ)(ウ)の全てを満たしている場合に限り履修することができます。
(ア) 卒業に必要な単位のうち98単位以上を修得している
(イ) 1・2年次設置の必修専門教育科目,微分積分学A・B・C・Dと代数学幾何学A・B・C・Dのうち6科目24単位以上を修得している(ただし,卒業にはこれらの必修科目を8科目とも修得することが必要です)
(ウ) 修業年数(※)が3年以上を経過している
※修業年数の数え方
修業年数は,「入学から経過した年数」から「休学期間の年数」を差し引いたものです。2019年4月に入学した学生の2022年4月における修業年数は,休学を全くしていない場合は3年ですが,半期休学をした場合は2.5年,1年(1つの年度丸々1年,もしくは異なる年度に半期を2回)休学した場合は2年となります。
卒業研究(ゼミナール含む)(=以下「卒研」と呼ぶ)は,原則として,あなたたちが指導を受けたい先生の下で,専門書や論文をセミナー形式で勉強したり,コンピュータ関連の指導を受けたりします。特に学力優秀な人は,大学院のセミナーに参加することもできます。
卒研の研究室を選んで,弟子入りすることを「卒研の振り分け」といいます。「卒研の振り分け」についての説明会は,3年次の9月の後期ガイダンスの日に行われます。この説明会に出席し,卒研の指導教員を決定することを必ず行なって下さい。普段から自分のやりたいことを考えて,どのような研究室に入ったら良いかを考えておくと良いでしょう。卒研で初めて純粋数学・情報数学の充実した本格的な勉強ができると言っても過言ではありません。「卒研の振り分け」説明会に出席したら,卒研でどの研究室を選ぶかを,指定された期間中に必ず決めることになっています。卒研着手条件を満たす自信がなくても,行き先の研究室は必ず期間中に決定しておく必要があります。卒研未着手の4年生以上も全員説明会に出席して下さい。人数の調整があるので,必ずしも希望通りになるとは限りませんが,卒業研究もゼミナールも必修科目ですので,全員どこかの研究室に所属する事が卒業には不可欠です。
ここまで説明してきたように,履修方法はなかなか複雑です。よく研究し,分からないところは,教務課やクラス担任の先生に相談して上手に科目を履修して下さい。
卒業に必要な単位数は130です。単位数ばかりを気にして闇雲に科目を履修し,3年前期終了時までにほとんど全ての単位を修得する人がいますが,望ましいこととは言えません。
4年次になる4月に卒業研究着手条件を満たしていないときは,残念ながら4年生を2回以上やらないといけなくなり,卒業に5年間以上かかることになります。
3,4年次の専門科目は,試験で不合格になるものも多く,単位を取ることは,皆さんが考えるよりも遥かに難しいものです。ぎりぎりの単位数しか履修登録しない人が随分いますが,多めに履修登録し,しっかり授業に出席しレポート類を出して必ず試験を受験して下さい。
そして試験や授業を欠席する場合は,可能な限り事前に担当教員に連絡をして下さい。3年次後期や4年次は,就職活動などで授業を欠席せざるを得なくなることがあるかもしれませんが,単位不足で卒業できなくなれば,就職が決まっても何にもなりません。緻密な履修計画を立て,授業にしっかり出席して,真面目に勉強してください。
(K) 将来の進路,大学院,その他
大学は4年間で卒業することが原則です。5年以上在籍することは,授業料などの経費の面で当事者に余分な負担がかかります。はっきりした目的がない限り,4年間で卒業することを心掛けなくてはいけません。数学科は,今年入学された皆さん全員がしかるべき成果を挙げて,4年間で卒業できることを望んでいます。
数学科で学んだ後,皆さんは教職に就いたり,会社に就職したり,公務員になったり,あるいは更に深く数学を勉強するために大学院に進学したりします。数学科では,大学院に進んで研究することを希望する人が年々増えてきています。一般的には,4年次に大学院への入学試験を受け,合格した人が大学院への入学を許されるのですが,平成20年度以降の入学生から,3年で大学を卒業する「早期卒業」という道も開けました。ただしこれは,成績等に関する所定の条件を満たし,かつ,内部の大学院に進学をする場合に限ります。この制度に関心のある人は,クラス担任や教務課に相談して下さい。以下にこの「早期卒業」のための条件を記載します。
「早期卒業」のための条件
早期卒業できるのは,下記の全てを満たす者である:
(1) 1年次終了時の学業成績において,修得単位数が46単位以上,学年GPAが3.6以上であり,学科内判定委員会が認めた者であること。
(2) 2年次終了時において早期卒業に関する卒業研究着手条件「修得単位数が98単位以上,累積GPAが3.6以上」を満たし,かつ上位2%以内の席次の者であること。
(3) 2年次および3年次の年度始めに,数学科主任を経て理工学部所定の「早期卒業希望届」を提出した者であること。
(4) 2年次終了時において卒業研究の受け入れ教員が決定し,その教員と主任の認める者であること。
数学科からの大学院進学者は殆ど全ての人が,数学専攻に進学します。情報数学を研究する場合でも,大抵は数学専攻に進学します。情報科学専攻に進学する場合もありますが,情報科学専攻では「数学」の教員免許の「専修免許」は取れません。
科学技術が広く使われる現代社会では,高度な数学の知識を持った数理技術者がますます求められてきています。他大学の大学院に進学を希望する人もいますが,日本大学理工学部数学科は,知的好奇心旺盛な皆さんが,日本大学大学院理工学研究科へ進学されることを歓迎します。日本大学大学院理工学研究科数学専攻へは,内部推薦で進学できる制度があります。数学科の教員は皆さんを大事に教育します。
日本大学大学院理工学研究科への内部推薦による進学希望についての意思確認は,4年次の4月頃に卒業研究担当教員によって行われます。内部推薦進学を希望している場合は,3年次に卒業研究の指導教員が決まったときに,なるべく早くその先生に相談して下さい。なお,大学院生指導資格をもっている教員は,卒業研究担当教員の全員ではありませんので,必要な場合は大学院担任や4年生クラス担任の先生等にも相談して下さい。
学部の授業だけでは,数学が結局どのような学問であったかが,あまりよくつかめなかったとぼんやり思っていたような人も,大学院に進学すると見違えるように本当に成長します。
・大学院に進学して深く純粋数学や情報数学を勉強し,数学の実力や論文をまとめる総合力・文献収集力・プレゼンテーション力等を身に付ける。
・大学院在学中に中学校や高校の非常勤講師を少し経験し,また「数学」の専修免許を取得して,より望ましい学校に就職できるように成長して,教員採用試験を受験する。
このパターンは数学専攻の大学院では一般的なものの一つです。日本大学大学院理工学研究科に在籍して,学部の授業の手伝いをする教育補助(TA)の仕事をするのも,履歴・経験面でプラスになります。若いうちの大学院での勉強がどれほど人間を伸ばすかは,本当に計り知れないものがあります。
大学院に進学すると,その為の経費は巨額なものであろうと,特に保護者の方々は心配されると思います。大学院生に対しては,学部よりも授業料等の負担を軽くし,各種の奨学金制度を整え,またTA手当を支給する等,理工学部では負担の軽減に取り組んでおり,奨学金は整備されてきています。なお,日本大学から日本大学大学院理工学研究科へ進学した場合は,大学院の入学金は免除となります。
数学科に入学したものの,入学後,他の勉強をやりたいと考えるようになった人のために,転科・転部の制度があります。
転科制度は,年度終了時に志望学科の条件を満たし,2~3月に行なわれる志望学科の転科試験に合格すれば,次年度から理工学部内の他学科の学生になれるというものです。転部制度は,日本大学の別の学部に移れる制度です。転科・転部のどちらにおいても,志望学科・学部の2年次または3年次に移ることになりますが,移った先の学科・学部で1年次の科目から履修しなければならないことが多いので注意が必要です。いずれも1月頃までに初めの手続きが必要です。
この他にも将来の進路などについて,いろいろ知りたい人は,早めにクラス担任や就職担当の先生等に相談して下さい。
[5] 数学科の事務室や研究室の場所
*数学科事務室+数学科図書事務室(数学科の学生さんは,ここで教務の相談もできます)
駿河台校舎 タワースコラ14階 S1423室
*数学科就職事務室(教員採用試験や企業の就職,卒業生の情報のあるところです)
駿河台校舎 タワースコラ14階 S1430室
[6] 就職
(A) 就職の情勢と心構え
2016年度採用から就職活動のスケジュールが変更され,3年生の3月1日から会社説明会などの広報活動が解禁になり,選考活動は4年生の6月1日以降となりました。内定時期は,10月1日と変わりません。一方で,企業等のインターンシップが早い時期から実施され,3年生の夏休みや,場合によっては2年生のうちから参加する人もおり,将来の就職活動に向けての準備としても,年々その重みは増しています。しかし,卒業研究も含めて,しっかり勉学に励んだ学生を企業が求めている,ということは一貫して変わりません。
数学科の学生に対して企業が期待していることは,「数学をきちんと勉強し,使えるようになること」です。学生時代に数学をきちんと勉強し,理論的・論理的思考が鍛えられている人は,種々の情報処理技術への理解も速く,広く応用が可能であるため,企業にとっては大変貴重な人材となります。基礎理論をきちんと勉強した学生を企業は求めているということを,しっかり覚えておきましょう。「基礎力こそが真の応用力であり,即戦力となる」のです。勿論,常識を備えている大人であることが要求されることは言うまでもありません。
一般企業への就職と比べて,教員への道は狭き門ではありますが,強い志を持って弛まぬ努力を続けて夢を叶える人が,特にここ数年は増加しています。しかしながら,現実に大変厳しい道であることには変わりありませんので,教員を目指す人は相当の覚悟を持って,早いうちから情報を集めて,しっかり勉強をして下さい。公立や私立の非常勤講師もしくは公立の臨時任用教員に採用され,数年を経て非常勤講師経験者の中から本採用ということも一般的になりつつあります。
さらに深く専門的な勉強をするために,大学院への進学という選択肢があります。特に理工系や教員志望者では大学院進学が増えています。皆さんは,貴重な数理科学の専門家の卵ですから,是非大学院への進学も考えてみて欲しいと思います。教員志望の場合,専修免許を取って,より良い学校の教員を目指す場合が増えています。[4](K)の将来の進路,大学院,その他 の項目をもう一度読んでみて下さい。
(B) NU就職ナビへの登録
企業情報やその他就職に関する様々な情報が提供されており,真面目に情報を集めるためには不可欠なシステムです。日本大学の総合力を就職に生かさない手はありませんから,皆さんはまずはNU就職ナビに登録を行なって下さい。そして,早いうちから将来を見据えて,このナビを活用して対策を立てて下さい。
(C) 就職活動支援
理工学部でも,就職指導課が中心となって種々の就職対策プログラムを用意しており,面接対策セミナーや各種対策テスト,学内での企業合同セミナーも開催しています。また,公務員,特に国家公務員を目指す人には,公務員試験対策講座が開講されています。
(D) 数学科の就職状況
企業および教員採用に関する最新情報,過去の就職状況や適性試験・教員採用試験の対策,就職ガイダンス,TOEIC L&R IP テスト関連等の就職に関する様々な情報が数学科就職事務室にあります。就職活動で困ったときなど,大変頼りになりますので,ここへおいで下さい。